原因
中耳に弱い炎症が持続している状態です。そのために中耳に滲出液がたまった状態 になっています。急性中耳炎に引き続いて起こる場合もありますが、いつの間にかなっていることもあります。中耳と鼻の奥をつなぐ耳管の働きが悪くなると中 耳炎を起こしやすくなり、また、治りにくくなります。鼻の調子が悪いときに耳管機能が悪化して滲出性中耳炎になるリスクが高くなります。小児は大人に比 べ、耳管機能が未熟であるため滲出性中耳炎になりやすいのです。
治療
子供の場合は、通常まず内服薬で治療します。鼻の調子を整えたり、耳管機能を正 常化したりする働きのある薬を飲んでいただきます。1から2ヶ月内服治療を続けても治らない場合は、鼓膜切開を考えます。大人の場合は、自覚症状を強く訴 える方が多いことや、鼓膜切開に対する拒絶反応が弱いことから、早期に鼓膜切開を行なうこともあります。鼓膜切開しても治らない場合や、外来での鼓膜切開 が出来ないような場合(赤ちゃんなどでじっとしていることができないなど)はチュービングを行ないます。原則は外来で鼓膜麻酔下に行いますが、赤ちゃんな どは総合病院に依頼して全身麻酔下に行います。
耳管機能は8から10歳で成熟するといわれています。中耳炎を繰り返す子供さんや治りにくい子供さんは8から10歳の年齢になるまで注意が必要です。
繰り返す場合や難治性の場合は、口蓋扁桃(いわゆる扁桃腺)やアデノイドの手術が必要となることもあります。
その他の注意
子供の場合は、症状を訴えることがほとんどありませんので、鼓膜を見て治っているかどうかの確認が必要です。鼓膜が正常化するまで診察させてください。
中耳炎は必ず繰り返すわけではありませんが、繰り返す子供さんがいることも事実です。特に、繰り返し中耳炎になる子供さんや、一度かかると治りにくい子供さんは風邪をひいたときや鼻の調子が悪いときは注意してください。気になるときは診察させてください。
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