難聴を引き起こす因子としては、
1)大きい音量で聴くこと
2)長時間続けて聴くこと
3)高い周波数の音を聴くこと
の3つの要素が挙げられます。
困ったことに難聴が起こっていても、すぐに気づくとは限りません。難聴が一部の周波数に限られた場合には、かなり進行した状態にならないと気づかない場合もあります。
治療法について
残念ながらヘッドフォン難聴の治療法はありません。〔ただし、大きい音を聞いた直後に起こる急性(音響障害)の場合は治る可能性がありますので、早め(数日以内)に耳鼻科を受診してください。〕
予防法は?
・治療法がないので、いかに聴器を守るか、聴力管理を行うかが大切です。すなわ ち、85dB以上の音量は要注意です。100dBの音を1日15分以上聴くと難聴になりやすいといわれています。騒音職場では、それぞれの職場で決められ た騒音の予防策があると思います。それをできるだけ守ることが大切です。
・音楽は適切な音量で聴きましょう。定期的に音楽を止めて耳を休ませることも必要です。
・急性の難聴ばかりでなく、習慣的に長時間音楽を聴く、騒音職場で働くなど、慢性的な音の暴露によりゆっくりと発症する場合もあります。
よく有る質問
『テレビの音や音楽をヘッドフォンやイヤホンを使って聴くことが難聴の原因になるのではないか』と質問されることがあります。ヘッドフォンやイヤホンを使うこと自体が悪いわけではありません。適切な音量で聴きながら時々耳を休ませてあげれば心配ないと思います。
最後に、騒音の目安をみてみると、
100dBは列車が通過するときの高架下、電車の駅
90dBは大声による独唱、騒々しい工場内
80dBは交差点、マーケット、国道、地下鉄の車内
60dBはレストラン、大きな商店、ホテルのロビー、普通の会話
40dBは深夜の町、図書館
となっていました。
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