症状がひどくなってから治療を始めたのでは充分な効果が得られない人は、早期治療をお勧 めします。花粉症の治療薬は飲み薬と点鼻薬が主ですが、いずれの薬もしばらく使用した後のほうがよく効きます。薬によりますが、飲み薬は2週間程度飲んだ 後、点鼻薬は1~2週間使用した後が本当の効き目だといわれます。
症状がひどくなってしまうと、鼻の粘膜のバリヤ機能が弱まってしまい、花粉の刺激をより強く受けるようになってしまいます。症状が出る前や、軽いうちに薬を使い始めることで粘膜のバリヤ機能を保つという効果も有ります。
例年症状が出る時期の2週間ぐらい前から薬を飲んでおく方法
花粉に対する敏感さが人によって異なりますので、同じ種類の花粉に対するアレル ギーでも少ない花粉で症状が出る人は早くから症状が出ます。(スギの場合は、1月の終わりごろには症状が出る人がいます。)一方それほど敏感でない人は、 本格的に花粉が飛び始めてから症状が出ます。(スギの場合は、2月の後半や3月に入ってから症状が出ます。)そこで、自分が毎年どのくらいの時期に症状が 出るかを考えて、その2~3週間前から薬を飲み始めます。そうやって、症状が出始めるときには薬がよく効くようにしておくという方法です。ただし、毎年花 粉の飛散開始日は違っていますので、いつから始めるかの判断は難しいところがあります。
まだ症状が軽いうちに薬を飲み始める方法
本格的な症状が出てからでは薬が効き始めるまでに時間がかかるので、症状が軽いうちに、花粉が少ないうちに薬を飲み始めて、本格的に花粉が飛び始めたときに薬がしっかり効くようにしておくという方法です。現実的にはこの方法が実行しやすいと思います。
これら2つの治療は点鼻薬を使用(併用)する場合もあります。
症状の強さや、薬の効果、その年の花粉の量などで、どの程度の治療が必要か判断して下さい。
事前にレーザー治療など日帰り手術を行なう方法
症状が強く飲み薬や点鼻薬などでは充分効果が無い人は、事前にレーザー手術など の日帰り手術を行っておく方法もあります。スギ花粉の場合は、前年の11月からその年の1月ごろに手術を受けるのが良いと思います。レーザー以外にも病院 によって別の器械を使うところもあります。当院では行っていませんので、必要な場合は治療できる病院に紹介致します。
|