マクロライド療法
マクロライドとは抗生剤の分類の名前です。マクロライド系抗生剤の一部に他の抗生剤には無 い慢性炎症を回復させる働きや、粘膜や粘液を正常化させる働きがあります。その作用を利用して、慢性副鼻腔炎を治療するのがマクロライド療法です。具体的 には、マクロライド系抗生剤(エリスロシン、ルリッド、クラリシッド、クラリスのいずれか)を、抗生剤として使用するときの約半分の量にして3ヶ月(12 週間)内服します。子供は経過を見ながら短期間で終了する場合もあります。多くの施設の報告では7割弱の有効率といわれています。症状が良くならない人 や、すぐに症状が再発する人は手術を考えます。
手術(詳しい手術の内容は手術を受ける病院でお尋ね下さい)
近年は、通常内視鏡手術が行われます。上くちびるの裏を切って行なう従来の手術はほとんど 行われなくなりました。従来の手術は、悪いところをきれいに取り除くという考えで行われていました。内視鏡手術は、治りにくい副鼻腔炎が治るように、また 副鼻腔炎になりにくいように鼻の中の形態を改善することを目的とします。内視鏡手術では、手術後に3から6ヶ月間マクロライド療法を行なって、残った病変 をしっかりと治すことが必要です。
・では内視鏡手術とはどのような手術でしょうか
内視鏡手術は、手術操作は鼻の穴から行ないます。鼻から内視鏡を入れ、内視鏡で見ながら篩骨洞、上顎洞、前頭洞、蝶形骨洞(これらの4箇所の洞をあわせて副鼻腔といいます)を病状に応じて鼻側に開放していきます。出来るだけ広く開放して交通を良くします。
従来の手術と違って内視鏡手術では、手術後に顔が腫れたり、頬がしびれたりはしません。術 後の痛みも従来の手術法に比べ軽度です。病院にもよりますが、多くの場合全身麻酔下に行なわれていますので、手術中の骨をたたく音が聞こえるとか響くとい う従来の手術で多くの患者さまが不快だった感覚もありません。
最後に
副鼻腔炎は一度治っても再発しやすい病気です。鼻の調子が悪くなったら、早めの治療を心がけてください。
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